参加者のOさんから
メッセージをいただきました!
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『ジャンピング・マウス』公演
●開催日 : 2006年6月17日(土)
●プログラム内容
▽蜜ろうそく点火
火起こし(錐揉式発火法):大西琢也
▽ストーリーテリング
『 ジャンピングマウス』
語り:古屋和子
太鼓+インディアンフルート:のなか かつみ
▽シェアリングサークル
(分かち合いの輪)
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空が今にも泣き出しそうな梅雨の夜、
用意された数本の竹笹と畳敷きの部屋に
蜜ロウソクに点火された厳かにゆらぐ優しさのある炎を
見ながら物語は始まった。
初めて知る物語で、とても興味を持って聞かせていただいた。
先ずは古屋さんの語りの素晴らしさに引き込まれた。
いきなり別世界に連れて来られたようだった。
その語りを盛り上げる野中さんの演出も素晴らしかった。
原色の音楽の音色が醸し出す雰囲気は物語の進行を
一層立体的に深みのあるものにしていった。
一匹のネズミが様々な出来事に遭遇するたびに出現する
それぞれの動物たち。
示唆に満ちたやり取りは大人も
ドキッとするような迫力と深遠さがあり、
いつの間にか自分自身が
その世界の一場面にいるかのような錯覚を覚えたほどであった。
多くの示唆の中でも自己犠牲の美しさは、
今の我々の生活に多くは見られない事柄だけに
とても新鮮に感じられて
何か心が洗われるような思いにさせられた。
「聖なる山」に向かうジャンピングマウスに
魂の昇華を求めて止まない聖者の姿を見た思いである。
新たな世界を見せられたひとときだった。
物語の余韻が漂う中で一人一人に蜜ロウソクが渡され、
主催代表の大西さんから左隣の人に火を送られて
次々にリレーして最後のひとりまで辿りついた。
それぞれの火なのに一つの火という不思議な感動を味わった。
私には今日が初めての方がほとんどの中で
この公演の感想を述べ合い聞かせていただいたが、
どの方も穏やかで安心の世界に包まれていたように感じて
この場を後にした。
外はすでに梅雨が大泣きをしていた。
(東京都・男性・Oさん)